生後半年くらいから乳歯が生え始め、2歳6カ月〜3歳で
全ての乳歯が生え揃います。乳歯の重要な役割の一つとして、
永久歯の生えるスペース確保ということがあります。
歯と歯の間がむし歯になってしまったり、適切な生え変わり
時期より前に乳歯が抜けてしまったりすると永久歯が生える
十分なスペースが失われてしまうことがありますので、
乳歯が虫歯にならないように大事にしていきましょう。
まず下の前歯が生え変わります。平均的には6歳くらいからに
なります。また、この時期に一番後ろの乳歯の奥に永久歯、
6歳臼歯(第一大臼歯)が生えてきます。6歳臼歯は歯ぐきを
突き破って生えてきますので、生える前に歯ぐきに痛みを
感じる場合があります。基本的に生え変わりは下→上の順番で生え変わりは進み、
11〜12歳で生え変わりは完了します。そして、6歳臼歯の
後ろに12歳臼歯(第二大臼歯)が生えて、大人の歯並びが
完成していきます。
なお、親知らずは基本的には18歳以降で生え始めることが多いですが、向きが悪く生えてこないこともあります。第二大臼歯に悪影響を及ぼすこともありますので、18歳を過ぎたらレントゲン写真を撮影して親知らずの状態を確認しておくことをお勧めします。
このようなご質問をいただくことがよくあります。最近の傾向として、生え変わりの時期の個人差がとても大きくなっているように感じます。生え変わりが平均よりもずっと早い子もいれば、平均よりも2〜3年遅い子もいます。
歯は頭の部分(歯冠)が作られ、そのあとに根が作られますが、根の長さが最終的な長さの半分程度作られないと、生え始めません。レントゲン写真を撮影し、永久歯の歯根の長さを確認し、成長具合を確認します。永久歯の成長が遅く、それが原因で生え変わりが遅いだけであれば、じっくり待ちます。
しかし、それ以外が原因の場合は精密な検査をします。例えば、永久歯の向きがズレている、隣の歯に当たってしまっている、過剰歯があるなどが挙げられます。この場合は積極的に治療をしていかなければ、永久歯が適切な場所に生えてくれません。
赤丸が過剰歯です。永久歯の上に位置しているため、この過剰歯を抜かなければ、永久歯が生えてきません
先天性欠如といって、永久歯が存在しない場合があります。先天性欠如を起こしやすい歯は、前から2番目の歯である側切歯と、前から数えて5番目の歯・第一大臼歯の一つ前の歯である第2小臼歯です。
先天性欠如の場合、生え変わりが起こりませんので、一生を見据えた治療計画を考える必要があります。その乳歯を抜いて矯正治療をしていく方法や、乳歯が虫歯にならないように気をつけながら、出来るだけ長く使っていくことも方法の一つになります。
赤丸は乳歯ですが、その下に永久歯がありません。第二小臼歯の先天性欠如です。
歯の生え変わりはお子様の成長の中でも大きなイベントです。問題がある場合は適切な時期に処置することで綺麗な生え変わりや歯並びを誘導することが可能です。ご不安やご不明点があれば、いつでもご相談ください。