親知らずを抜歯するとき、
大抵の場合個人差はあれど「腫れ」と「痛み」はつきものです。
上の親知らず抜歯の場合は腫れにくく、
痛みもそこまでひどくないないことも多いですが、
下の歯の抜歯ですと多少なりとも腫れ・痛みは伴います。
大体きちんとした処置をしていれば、
3日~10日前後で腫れ・痛みともに引いてくるのが一般的です。
腫れの度合いは患者様の体調や体質によりますが、
抜歯後の処置方法も影響してきます。ここではわかりやすく、
横向きに生えている人の下の親知らず抜歯を前提として説明します。
横向きに埋まって生えている場合、歯茎を切開するのでそれを縫合する必要があります。
その際、傷口を完全に閉じるように縫合するか、少しだけ隙間を作って縫合するかで腫れ方が異なってきます。
傷口を完全に閉じると、抜歯したところから出る血液やリンパ液が流れる場をなくし、
鎖骨あたりまで腫れてくることがあります。
この縫合方法は口腔外科出身の医師の間ではスタンダードであり、
抗生剤の服用量が少なく、消毒は軽いうがいで済むのが特徴です。
が、腫れは大きいと言えるでしょう。
一方、少しだけ隙間を開けていれば、そこから血液やリンパ液が循環するので腫れは
上記の方法よりは多少なりとも少ないことは容易に想像できます。
その代わり、傷口からの感染症を防ぐためにかなりの量の抗生剤を服用しなければならないこと、
また消毒をご自身でもこまめにしなければならないことがデメリットといえます。
どちらの方法を選択して抜歯するかは、
主治医と患者様の間で生活スタイルなど含めて十分に話し合うことが大切です。
痛みについては主観的な面も否めませんが、これについては安静にしているのが一番です。
ストレスをかけず、傷口に力をかけないことも大切です。
大抵の場合は抜歯後に抗生剤とともに痛みどめを処方されるはずですので、我慢せずに薬に頼るのもいい方法です。