ほとんど見受けられないのが現状、
といっても過言ではないのですが、
抜歯にはやはりリスクはつきものです。
もともとあるものを抜くのですから、
万が一のことも知っておいた方がいいと考えます。
ここでは、「親知らず抜歯後の後遺症」について、
簡単にご説明したいと思います。
確率は非常に低いのですが、下の親知らずを抜いた時に後遺症のひとつとして、
下唇の軽いしびれが残ることがあります。
これは、下の親知らずの周辺にはたくさんの歯の神経が通っており、
抜歯の際にその歯の神経を傷つけてしまうと起こることです。
きちんと口腔外科で抜歯を行えば、ほとんどこういった後遺症が残るということはありません。
また、たとえそのような感覚があったとしても、
歯の神経に働きかけるビタミン剤の投与などで症状が治まることも少なくありません。
もうひとつ考えられる後遺症としては、開口障害です。
大体指1本分しか口が開かない、食べ物が食べられないといった症状です。
「咀嚼筋」という、口を開け閉めする筋肉に炎症が及んで起きるものです。
術後直後には痛みとともによく出る障害のひとつですが、まれに少し長引くこともあります。
術後10日ほどしてもこういった障害が続く場合は、主治医に相談をすることをお勧めいたします。
また、下の親知らずはのどに近い部分にあるため、
ものを飲み込む時に痛い(嚥下痛)といったような症状を起こすこともあります。
風邪をひいたときに喉が痛い、という症状に近いものがあるかと思います。
これは、喉のうがいをこまめにすることである程度改善されることもありますので、
適度な回数のうがいを心がけてみてください。
ここでは後遺症として代表的な例をあげましたが、
気になるようでしたらとにかく早めに主治医にご相談されることが大切です。
自己診断は危険です。